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道具の流儀 2017

巨人・畠世周 デサントのスパイク&グラブ 150キロ剛腕ルーキーを支える“ロゴ”が目を引く王道6本歯

 

7月6日に一軍デビューを果たして以降、ペナントレース終盤戦は投手力を前面に押し出して、Aクラス死守を目指したチームにとって、欠かすことのできない重要な先発ローテーション投手の1人となった。ここ数年は巨人にいなかったタイプの150キロ超剛腕・畠世周を支えているのは、不器用ゆえのただ1つのグラブと、“デサント”ロゴがひと際目を引く、先人たちも愛したモデルだった。
取材・文=坂本匠、写真=高塩隆


 黒ベースのスパイクに、白にオレンジの太めの縁取りが施された馴染じみの“デサント”マークが潔い(上写真)。スパイク側面のデザインに注目すると、オリジナルのラインを強調するか、ブランドロゴを配するか、その合わせ技か、一般的に大きく3通りに分かれるのだが、「めちゃくちゃ目立ちますよね」と畠世周本人も驚くように、他社のそれと比較しても、より余分な装飾を排除したデサントの直球勝負が、新鮮に映る。

 近大在学中から同社製品を愛用する畠が、躍進を見せたのが7月以降のことだ。昨秋のドラフト直後に受けた手術(右ヒジのクリーニング手術)の影響で、キャンプは三軍スタートと出遅れはしたが、当初は5月の投球再開見込みというスケジュールから回復は順調に進み、7月6日の広島戦[マツダ広島]で一軍デビュー。その後は12試合で6勝(4連勝あり)を挙げるなど、菅野智之、M.マイコラス田口麗斗の2ケタ勝利トリオに続く先発4番手に急浮上し、最大借金11からの勝率5割復帰、そして最終局面まで3位争いを繰り広げたチームにとって(結果は4位)、欠かせない戦力となった。


 そんな右腕の最大の魅力は、150キロを超える威力あふれるストレートだろう。剛腕をひも解くカギの1つが、下半身の安定と、それを可能にする定番のスパイクにある。

 近年(特に1990年代半ば以降)、スパイク事情は大きく変わってきており、地面を噛むグリップ力を高める目的や、地面を蹴る力を高める目的で、歯の本数を増やす傾向にあるが、畠はそれを好まない。愛用するのは、現在のスパイクの形状が確立されてから長く定番(各メーカーほぼ共通)として受け継がれる前3本、後ろ3本の王道6本歯である。

「初めのころは前だけで5本の歯がついているものを試してみたんですが、プレート(投手板)にうまく引っ掛けることができなくて、滑ってしまったんです。自分が不器用なのもあるんですが、下半身が安定しないのは嫌なので、それ以降、ずっとこの前3本のものを愛用しています」

グリップ力や地面を蹴る力を高めるなどの目的で、各メーカーがこぞって多本歯のスパイクを開発している中で、畠は最もオーソドックスな前3本、後ろ3本の6本歯にこだわりを持つ


 もちろん、グラブもデサント社製。一般的に、グラブを長持ちさせたり、気分を変える目的で、練習用と試合用とで使い分ける選手がほとんどだが、「感覚が狂ってしまうので、違うグラブを使えない」との理由から練習&試合とプロ入り以降、同じグラブを使用し続けている。ここで再び自身を「不器用」と表現する畠だが、力で押すピッチングスタイルと同様の真っすぐな性格が、用具選びにも表れていると言えるのではないか。

「自分、不器用なんで。感覚が狂ってしまう」の理由から、プロ入り後は練習、試合とこのグラブのみを使用。投手用としては比較的コンパクトで操作しやすいモデルだ


 なお、デサント(DESCENTE)とは、フランス語で「滑降」の意味。ロゴマークにある力強い3本の直線的な矢印(※スキーの基本技術である直滑降、斜滑降、横滑りを表現しているそう)も、“真っすぐ”な畠のスタイルにフィットしている。

「魂を込めた投球を大事にしたいと思って」とグラブの平裏部には心技体ならぬ“魂・技・体”の刺繍が


PROFILE
はたけ・せいしゅう●1994年5月31日生まれ。186cm78kg。右投左打。投手。広島県出身/近大福山高-近大-巨人17=1年
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プロフェッショナルたち(選手、コーチ、スタッフ含む)のこだわりの道具、ギアをクローズアップ。

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