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豊田泰光のオレが許さん!

豊田泰光のオレが許さん! 『谷繁元信“捕手”に望むこと』

 

ベンチのサインで動かされる現代の捕手
これでは好捕手が生まれない


 中日の谷繁が2000安打を達成しました。スポーツ各紙は、大々的に取り上げていましたが、オレは「おめでとう」と称えたいと同時に「もっといいキャッチャーになってほしかったなあ」と注文をつけたいもんね。

 大洋(現DeNA)に入団したころから彼を見てきましたが、本人も「4、5年はキャッチャーに向いてないと言われ続けた」と言ってます。実際、試合を見ていると「そこは、そうじゃないだろう」となることがしばしばでした。そういう彼が、25年もプロのホームを守ってきたというのは、これはやはり大したものですが、オレとしては、先に言ったような不満が依然として残るワケですよ。25年も時間があったんだからもうちょっとなあ……と。

“大魔神”佐々木主浩君が言ってましたが、マリナーズに移るまで、谷繁には10シーズン、投球を受けてもらったが、初めの4年ぐらいは信頼したワケではなかったそうです。打たれた理由を投手のせいにしたり、キャッチングでは体で止めようとしない捕手だったとも。

 これって、かなり手厳しい“谷繁否定論”ですよね。もちろん佐々木君は、そのあとの谷繁の成長を認めて、メーンパートナーとして、谷繁に投げるのが楽しかったとフォローしてますが、オレはね、谷繁が佐々木君のピッチングの邪魔にならなくなった、ということだと理解しました(これだけでもたしかに成長ですが)。

 ただまあ、谷繁の丈夫な体と、へこたれない根性は認めてやらないといけません。オレはちょっと前に「ケガには同情しない」と書きましたが、彼はほとんど大きなケガをしていません、捕手というポジションで。これは立派です。06年にはシーズンの捕手の連続守備機会無失策1062のセ・リーグ記録も作っています。去年の守備成績を見ると盗塁阻止率.361は平凡ですが、捕手としての出場131試合はトップ、盗塁刺26もトップ。まあ、やることはやってるキャッチャーではあります。

 でも、谷繁に関する記憶として・・・

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豊田泰光の“オレが許さん”

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