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豊田泰光のオレが許さん!

豊田泰光のオレが許さん! 『交流戦は始まったが…』

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交流戦で球宴は死んだと言われるが交流戦やめても球宴は蘇生しない


 交流戦の真っ最中ですが、まあしかし、この方式も、「さあやって来たぞ!」という具合にはならなくなったですよねえ。

 オレは交流戦スタート時は「遅いぐらいだ」と歓迎したのですが、留保もつけました。それは、最悪の組み合わせもあることを覚悟しないと、ということでした。つまり、両リーグの最下位同士の戦いがあるのです。「その2つのチームのファンは、別に気にならないのでは」と言う人もいるかもしれませんが、これはやっぱりね、プロの興行がこれでいいのか?という問いを、オレなんかは発したくなっちゃうんです。

 今年はさっそく開幕の5月14日に、中日-日本ハムの組み合わせがそれになっちゃいました。試合は5対4の接戦で中日が勝ち、最下位を脱出しましたが(といっても6位ヤクルトとわずか0.5ゲーム差ですが)、中日・高木監督が、井端と衝突したとか、日本ハム・栗山監督が、試合前に「みんな頑張っているのに、申し訳ない」と選手の前で謝罪したとか、そんな報じられ方をされちゃってる。

 貧すれば鈍す、になっちゃうんですよねえ。シーズンが始まってまだ40試合ほど。そこで謝罪というのは、気が早過ぎるんじゃないの。というか、そういう行為に走ってしまうのは、チーム全体にとってよくないよ。監督と選手、どちらか一方がすべて悪いなんて話じゃないんだから。

 オレなんかの時代と違って、監督さんも、いろんなタイプが出てきてますし、また、それは当然でもあるのですが、やっぱり、ドシッとしていてほしいよね。

日本ハム・栗山監督は選手に「申し訳ない」と謝罪したそうだが、わずか40試合でそんなことをしなくても……



 交流試合によってオールスターが死んでしまったという声はよく聞きますし、オレはそういう面はあると思います。ただ、交流戦をやめたから、オールスターが生き返るという簡単な話ではないと思うんですよ。あれだけいい選手がメジャーに行っちゃったら、いつも言うけどオールスターじゃなくて、ハーフスターです。これはファンも分かっているし、さめているから、「人気のセ、実力のパ」なんていう、対抗心ムキ出しのオールスターはもう帰ってきません。FAで両リーグ間をひんぱんに移動する時代でもあるし、対抗心なんてのは、もう昔話でしかない。

 交流戦にもオールスターにも興奮しないプロ野球になってしまうと、唯一の楽しみはCSですか?困りましたねえ。

 メジャーでも、この交流戦は曲がり角にあるようで・・・

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豊田泰光の“オレが許さん”

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