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ロッテに球速で勝負する投手はほとんどいない。そんな中、昨季の新人王で今季から新守護神に指名された
益田直也は数少ない“速球派投手"と言える。
ルーキーイヤーはセットアッパーとしてブレークした。新人の最多記録を更新する72試合登板と41ホールドをマーク。パ・リーグの新人王に輝いた右腕。トルネード投法を思わせる独特のフォームから繰り出される最速150キロ超の直球が武器だ。
今季からクローザーに指名され、21試合に登板して1勝2敗13セーブと、堂々の数字を残している(5月16日現在)。チームの快進撃の功労者のひとりであることは言うまでもない。
多彩な変化球も操れるが、直球について本人はどう考えているのだろう。「走者がいない状況では速い球を投げることを多少は考える。ただ、走者を出してからは球速は意識しない。自分が点を取られたら終わってしまうのがクローザー。とにかくゼロ点で帰って来る投手でなければいけないので」。速球にこだわりすぎるというよりは、いかに打者を打ち取るかということに意識を傾けているようだ。
ただ、ここまでの配球を見ていると直球の割合が非常に高い。もっとも自信のある球であることの表れだろう。事実、開幕戦で144キロだった最速は5月に入って148キロにまでアップ。「セットアッパーのように毎日投げるわけではないので、消耗は昨季よりも少ない」
スピードだけでなく球のキレや威力も日を追うごとに増している。シーズンが進むにつれて球速はさらに増すだろう。同時に、守護神としての自覚と自信も深まっていくはずだ。