大好きな矢沢永吉の派手な楽曲が流れる中、マウンド上で静かに投球準備に入る。観客は熱い声援を送るとともに熱心に応援タオルを振り、39歳の生え抜き右腕の背中を押す。イニングの合間に球場を包む『番長ワールド』。プロ22年目の今シーズンも、ベテラン
三浦大輔は先発ローテーションの軸として君臨した。
残した成績だけではなく、話題も独占。6月12日の
ロッテ戦(QVCマ
リン)では好調な相手打線を手玉に取り、球団最年長記録となる39歳5カ月での完封劇。注目のルーキー、
阪神・藤浪とは3度投げ合った。過去2回の対戦はいずれも敗れたが、3度目の正直を狙った6月23日には8回途中4失点と粘りの投球。制球難から自滅した20歳年下の右腕に対して堂々とキャリアの差を示したが「しっかり投げて点を取られないようにすることが仕事」とベテランらしく悠然と語った。
7月6日現在で6勝6敗と勝敗は五分だが、防御率3.09はリーグ10位に位置している。球宴にも監督推薦で選出され「昨年は打たれてしまったので、今年は抑えたい。遅い球をどこかで使おうかなと思う。(良い)結果を残せるように頑張る。思い切り楽しみたい」と自らの投球を十分に発揮する構えだ。
3位以下は混戦が続く今季のセ・リーグ。チームも苦戦続きながら、悲願のCS進出へ向けて必死の抵抗を続ける。1試合ごとに1勝の重みが増す後半戦へ向け、どんな活躍を見せてくれるのか――。試合が進むごとにスコアボードにゼロが並ぶ。重圧から解放された9回のマウンドで、高々と右腕を突き上げる。そんな番長の姿を、ファンは思い描いている。