球団史上初の前半戦首位ターンを決めたチーム。守護神を務めているのが5年目の
ダレル・ラズナーだ。7月18日現在、リーグ4位の12セーブを記録。青山に代わって5月中旬から抑えに回ったことを考えると、上々の結果と言える。
2011年に星野監督の抜てきで抑えを任され、昨年は負傷離脱から青山にその座を譲ったが、今季は立場が逆になった。もともと先発投手として来日した右腕。適応能力は、もともと兼ね備えていたのかもしれない。森山投手コーチは「どんな場面でも『行く』と言ってくれる。競ったところでも、同点でも、点差があっても」と語る。セーブが付くのは1イニングならば3点差以内だが、それにこだわらず準備をする助っ人にチームの信頼は厚い。
力のある直球で押していく、オーソドックスな投手。森山コーチは「コントロールがいい投手。真っすぐで空振りが取れるところがいい」と説明する。守護神として、空振りが取れるボールがあることは必須条件でもある。
ヤンキースでプレーし、メジャー・リーグでの経験を引っ提げて09年に
楽天に入団。1年目は4勝7敗。2年目は5勝11敗。決して十分な成績を残したわけではなかったが、それでもチームにいられるのは、その人間性による部分も大きい。昨年の開幕前、嶋選手会長(当時)がチームの一軍選手と被災地の小学校を訪問したときは、外国人選手で唯一参加。そんな優しい男だけに、チームメートからの人望も大きい。
後半戦、先発投手にも疲労が見えてくる時期に、守護神の存在感は不可欠だ。球団初のリーグ優勝に向け、フル回転を期待したい。