定位置を奪えるだけの素質は十分に持っている。入団4年目の
西田哲朗。キャンプから好アピールを続け、紅白戦、対外試合でも遊撃手として場数を踏んでいる。チームの正遊撃手には松井稼がいるが、現在は二軍でマイペース調整を行っている。絶対的存在がいない間にどこまでアピールできるかが、西田の今後を大きく左右することになる。
もともと守備力には定評があったが、「アイツは中軸を打てる」と田代打撃コーチも認めるほど、打撃力も向上しつつある。2月9日の久米島キャンプで行われた紅白戦、西田は片山から左越えに豪快な一発を放った。推定飛距離130メートルの特大弾。「完璧でしたね」とうなずいた。
これに驚いたのが新外国人でメジャー通算150発の
ケビン・ユーキリス。ユーキリスは練習を終え、紅白戦を見ていた。試合後に「印象に残ったのは西田。パンチ力がある。何よりアスリートとしての資質の高さがある」と、その才能を絶賛した。
昨年はプロ入り後最多の26試合に出場したものの、打率.167。「昨年までは追い込まれると弱かった。積極的に行こうと思っています」。
銀次、枡田も参加する嶋の沖縄自主トレでも、レギュラークラスの選手たちと汗を流した。
星野監督は「西田あたりが上がってこなあかん」と、松井稼とのポジション争いを期待する。その最大のライバル・松井稼でさえも「アイツは体もでかいし、パワーもある。オレよりいいものを持っている」と、潜在能力を認めている。「ケガなく1年間を戦って、優勝の場にいられるように」と西田。若武者が飛躍の年へ向けて闘志を燃やしている。