絶対的エースの
前田健太が強力G打線を封じ込める。11回裏に四番・
エルドレッドがサヨナラ3ランを決める。セットアッパーでフル回転を続ける一岡がプロ初勝利を記録する。球団初の4月16勝を記録し、4月首位も確定させる。4月27日の
巨人戦(マツダ
広島)は、開幕からの快進撃を象徴する一戦となった。
中でもチームに落ち着きを与えたのは前田の快投だ。4月12日の
中日戦(マツダ広島)で右ヒジの違和感を訴え、中7日で向かった同20日の
DeNA戦(横浜)は5回4失点で降板。不安を一掃する意味でも、どうしても結果が求められていた。今季初の巨人戦登板。「自分がいい流れをつくらないといけない」。強い責任感をマウンドで表現した。
直球は自己最速タイの153キロを記録し、ヒジの復調をアピール。終盤も150キロ台をマークし続けた。両チーム無得点で迎えた9回無死二塁のピンチではまず阿部を二ゴロ。続いて高橋由を投ゴロに打ち取り、三塁から飛び出した村田を三本間で挟んでアウトをもぎ取った。最後は橋本を左飛に抑え、両手こぶしを握りしめた。勝ち負けこそつかなかったが、9回無失点と圧巻の投球を披露し、完全復活を証明した。
背番号18はこの一戦を機に勢いを取り戻した。6月中旬には左ワキ腹の張りで1度先発ローテを飛ばしたが、大事には至らず。7月9日時点でハーラートップタイの8勝、リーグ1位の防御率2.16と安定感を取り戻している。「求められるところはもっと高い。まだまだこれからです」。目標はあくまで23年ぶりのV奪回。夏場に差し掛かり、いよいよギアチェンジの季節を迎えそうだ。