ロッテから3年ぶりに新人王が誕生するかもしれない。ドラフト1位右腕・
石川歩は、パ・リーグ新人王の有力候補の1人だ。
プロ初先発は開幕カードの3月30日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)だった。4月6日の
日本ハム戦(QVCマリン)で挙げたプロ初勝利は、プロ初完投のおまけまでついた。8月28日現在で、19試合に先発して7勝5敗、防御率3.27。勝ち星はチームトップタイで、即戦力右腕としてチームに大きく貢献している。伊東監督も「社会人出身とあって、投球術を兼ねそなえている。スタミナ面での課題はあるにしろ、ウチにとって欠かせない存在だ」と全幅の信頼を置いている。
チームは開幕から先発陣の不調に苦しめられてきた。それだけに、ある首脳陣は「石川がいなかったらどうなっていたことか。ルーキーだけど、成績だけを見ればエース格と言ってもいい」と話した。直球の最速は152キロで、シンカー、カーブは一級品。特にシンカーは、対戦した打者が「スプリットかフォークのように落ちる」と振り返るほどのキレの良さ。間違いなく、将来のエース候補だ。
7勝目を挙げた8月5日の
楽天戦(QVCマリン)で、試合中に右手中指の爪が割れた。翌6日に出場選手登録を外れたが、同23日のイースタン・リーグ楽天戦(利府)で実戦復帰した。さらに伊東監督の52歳の誕生日だった同29日の日本ハム戦(東京ドーム)で一軍に復帰。「新人王はあまり意識していないけど、取れるものなら取りたい」。当面の目標は「CS進出に貢献する」こと。チームに勝ちをもたらすことができれば、おのずと新人王のタイトルにも近づく。