技巧派の誇りだった。21歳下の二刀流に
三浦大輔が貫禄勝ちした。「カーブからいってやろうと決めていた」。オープン戦初登板で5回1失点だった3月7日の
日本ハム戦(札幌ドーム)。大谷と対戦した2打席は、いずれも初球に90キロ台のスローカーブを選択。緩急で徹底して揺さぶり三邪飛、中飛。「真っすぐが遅過ぎてビックリしたんじゃないかな」と苦笑いしながら、高度なテクニックで料理してみせた。
高橋尚、三嶋らと先発6番手を争う大ベテラン。プロ24年目は、記録ラッシュの期待が寄せられている。プロ2年目の1993年から昨季まで22年連続勝利(史上4人目)を継続中。
工藤公康(85年~07年)と
山本昌(88年~10年)が持つ日本記録へ王手をかけている。過去に8人が達成している通算2500奪三振にもあと「95」。自身のキャリアでシーズン100奪三振をクリアしたのは16度を数え、今季中の達成は十分に狙えそうだ。
「あまり意識したことはない。これだけ長く現役をやらせてもらってるからね……(笑)」。あくまで冷静な男が、珍しく「何とか決めたい」と色気を出す記録。こちらも93年から途切れていない22年連続安打だ。すでに昨季、投手では日本記録を更新。
王貞治(22年)を超え、
張本勲(23年)と並ぶ快挙に「塁に出たい。どんな当たりでも、Hのランプがつけばいい」と意欲を燃やした。
入団時のチームは横浜大洋。98年のセ・リーグ優勝と日本一を知る、現役唯一の生き残りには「個人のことより優勝。とにかくもう1回、優勝したい」と熱い気持ちがある。41歳。ハマの番長はまだまだ、最前線で踏ん張る。