圧倒的な存在ゆえに、代役を務める投手はいない。たとえ、
山口鉄也が失点を重ねても、原監督は「(起用法は)全く変わらない」と語り、信頼を寄せる。
マシソンについても同様だ。
ここ数年、山口、マシソンが救援陣の屋台骨を支えてきた。山口は昨季まで7年連続で60試合以上登板を果たしている鉄腕で、マシソンも
巨人加入後、3年連続で安定した成績を残してきた。今季は澤村とともに必勝リレーを期待されているが、開幕当初は不安な投球を見せていた。ただ、経験豊富な2人は徐々に状態を上げていき、本来の姿に近いものを取り戻していっているように見えた。
ただ、夏場を迎え、再び苦しんでいる。オフに左ヒジの治療を受けた山口はその影響もあってか、昨季までのような安定感は見られない。6月20日の
中日戦、24日の
DeNA戦(ともに東京ドーム)と終盤に失点した。ここまでで、既に自己ワーストとなる4敗を喫している。責任感の強い左腕は「それだけチームに迷惑をかけている。次、頑張ります」と下を向くことはない
マシソンも19、21日の中日戦(同)でともに2失点。21日は2本のソロ本塁打を続けて浴びて逆転を許した。「連続ホームランは、自分のキャリアでも記憶にないようなことが起きた」と落胆。左肩の開きを抑えるなど、修正ポイントはしっかり分かっている。「(打たれたら打たれたで)気持ちを切り替えていきたい」とこちらも、闘志をたぎらせる。
斎藤投手コーチも原監督と同じく「何もしません」と配置転換などは考えていない。混戦を極めるセ・リーグを抜け出すために、2人の復調は欠かせない。