例年以上に熱い思いで、銀次は新シーズンへの準備を進めている。昨年12月17日、第2子となる次男が元気に誕生した。命名「桃次郎」映画「トラック野郎」シリーズで菅原文太が演じた主人公・星桃次郎から取った。

「一家の主として、また選手会長として、家族のため、チームの勝利のために、より一層頑張りたいと思います」昨季は故障で不本意なシーズンとなったが、巻き返しへこれ以上の追い風はない。

　長男が誕生したのは13年6月。同じく映画「男はつらいよ」シリーズで、渥美清演じる主人公・車寅次郎を彷ふつさせる「虎次郎(とらじろう)」と命名した。同年、チームは日本一に輝き、自身も初のシーズン3割を達成。子どもの誕生は銀次にとって吉兆だ。「2人目は大変ですね」と苦笑するが、自主トレで沖縄に出発する前には自らシチューを作るなど、できる範囲で子育てにも参加している。

　今季はチーム内での立場も変わった。藤田から引き継ぎ選手会長に就任。「自主トレは143試合、フルイニング出場できる体力をつくること。しっかりチームを引っ張っていけるようにしたい」。オフの間に、83キロから78キロへ、5キロのダイエットに成功。体への負担も少ないベスト体重で、全試合グラウンドに立ってチームを引っ張っていく。

　初の打撃タイトルにも意欲を見せる。昨季のパ・リーグは、西武・秋山とソフトバンク・柳田が高いレベルで首位打者を争ったが「前半戦から自分のスイングをしていけば、狙える位置にはいける。目標は3割5分」と力強く言い切った。父として選手会長として、息子たちの名前をもらった名優に負けない、輝きを見せる。