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DeNA 山口俊投手・プロ11年目で託された大役

 



 新年早々のサプライズだった。1月4日、横浜市内の球団事務所で行われた仕事始め。ひと呼吸置き、ラミレス監督は公の場で指名した。「10〜15勝する能力を持っている。ヤマグチはエースになり得る器を持っている。十分に開幕投手をやってもらえると信じている」DeNAの初陣となる3月25日の広島戦(マツダ広島)。プロ11年目、先発転向3年目で初めて大役を託された。

 昨年は3勝6敗、防御率4.49。自身の低迷とともに、先発投手が軒並み苦しんだシーズンだった。チームトップはベテラン・久保の8勝。誰一人として規定投球回をクリアできなかった。エース不在。球団初の外国人監督からの期待は必然と言えた。

 150キロを超える速球とツーシーム、スライダー、2種類のフォーク。緩いカーブを操る器用さも持ち合わせている。横須賀のベイスターズ球場で報道陣に公開した自主トレでは「メジャーで言うバックドアのイメージ。試合でもいい感じで使っていけそうです」と手応え。新球ワンシームの習得によって、投球の幅を広げようとしている。

 中日・浅尾らとグアムで合同練習し、鳥取市内の施設「ワールドウィング」では初めて初動負荷トレーニングも体験した。「大きいことは言えない。年間を通して投げること。周りから信頼され、仲間を信頼したい。200イニングにはこだわっていきたい」

 球団の開幕投手に勝ち星がついたのは2003年の吉見が最後。投手陣の柱としてだけでなく、今季から新選手会長も務める。「CS進出、優勝争いのために貢献したい」トレードマークだった無精ひげを剃ったのも決意の表れ。背番号11が、静かに熱く燃えている。
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