首位を走るチームとともに、最高のスタートを切った。4月27日の時点で早くも14試合に登板。1点も許すことなく2勝9セーブ、2ホールドと守護神として完璧な仕事をこなしている。ルーキー・森原、新助っ人・
ハーマンら、快進撃を支えるリリーフ陣。それでも、その中心には松井裕の左腕がある。
パワーアップして迎えた4年目のシーズンだ。
オリックスとの開幕戦、同点の9回に今季初登板。延長に入ると、ためらいなく10回のマウンドに向かった。「去年の秋から、イニングまたぎをできる準備をするので、いつでもいきますと(首脳陣に)言っていた」。2回を無失点、38球の熱投が開幕4連勝へとつながった。
WBCでの経験が生きている。「大会中も1点もやれないのは同じだったし、気持ちの面も大丈夫でした」と帰国後、ぶっつけでの開幕にも難なく対応。「僕の中で(2次リーグの)オランダ戦が、野球人生で一番緊張したしプレッシャーもあった。それ以上はないと思ってるんで」。タイブレークまでもつれた熱戦でのマウンドが、大きな自信につながっている。
4月25日、4万5000人を超える観衆が集まった
ロッテ戦[東京ドーム]では、史上17人、18度目の1イニング3者連続3球三振。存在の大きさをあらためて示した。東京五輪へ向けて「3年後は24歳。バリバリの主役になれるように頑張りたい」と話す21歳。絶対的な日本の守護神へ、若武者は進化を続けていく。