決して本調子ではない。それでも
菊池涼介が欠場して、ファンもチームも、その存在の大きさに気付かされた。
2016年シーズンに最多安打に輝いた安打製造機も、チームが35試合を消化した5月10日時点で打率.252と本調子には遠かった。本人は「やるしかない」と言い訳は一切しないものの、3月に行われた第4回WBCの影響があるのは疑う余地がない。
特に守備面においては心身の疲労を感じさせなかったが、体は限界に近づいていた。そしてついに5月5日からの甲子園での
阪神3連戦でスタメンを外れた。球団トレーナーは「コンディションを整えたい部分があった」との説明にとどめた。結局3連戦では試合に出なかった。
チームはその間に急失速。特に5月6日の阪神戦では0対9で大量リードをしておきながら追いつかれ、ついには引っくり返された。2年ぶりの同一カード3連敗。2戦目に代役でセカンドに入った2年目の西川が失策を犯し、3戦目で二番に入った堂林が3三振を喫した。いかに菊池が代えのきかない選手であるかが、あらためて際立つことになった。
コンディションが万全に整うことは難しいかもしれない。それでも菊池は必ず調子を上げてくる。4試合ぶりにスタメンに復帰した9日の
ヤクルト戦(神宮)では一時同点に追いつく適時打を放った。中心選手として、チームリーダーとして。菊池がチームを引っ張っていく。