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巨人 長野久義・お待たせ!第1号

 


 8年目で初めて迎える長いトンネルに苦しんでいる。阿部、坂本勇という生え抜きの中心打者の好調で上位争いを演じるチームに、何か足りない。両者とともに近年のチームで中軸を務めてきた長野久義だ。

 1年目の2010年からレギュラーに定着し、首位打者、最多安打と立て続けにタイトルを手にしてきた天才打者のバットから、快音が消えた。開幕3戦目の4月2日の中日戦(東京ドーム)以来、打率1割台に低迷。同8日の阪神戦(甲子園、降雨ノーゲーム)で今季初めてスタメン落ちすると、以降は好調の石川、亀井らに先発の座を譲ることが増えた。

 若手に混じり早出特打に参加し、村田ヘッドコーチや江藤打撃コーチから密着指導された日もあった。右ヒザ痛などの影響もあると見られるが、長野は言い訳を一切せず、「頑張ります。チームに申し訳ないです」と黙々とバットを振り込んだ。「状態がいい、悪いというレベルの選手ではない。どんな中でも、それなりにやらないといけない選手」とハッパをかける高橋監督も、選手会長の復調を願う日々だ。

 兆しは見えてきた。六番・右翼で先発した5月6日の中日戦(ナゴヤドーム)では、阿部のバットを借りて今季初の3安打。「(復調は)少しずつですよ」とコメントは相変わらず控えめだが、打率は2割台(.203)に復帰。同10日の阪神戦(東京ドーム)で自身初アーチを放つなど調子は上向き。背番号7の復活で、チームが勢いづくのは間違いない。
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