期待の表れ以外、何物でもなかった。5月22日に発表されたオールスターゲームのファン投票第1回中間発表。パ・リーグの「二塁手部門」の3位に
ソフトバンク・
川崎宗則の名前があった。周囲よりも驚いたのは当の本人。
「そうかぁ! マジで?(球宴休みに)温泉旅行計画してたよ」
ファン投票の用紙には「川崎宗則」の名前はない。この用紙は4月14日が締め切り。そのときはまだ二軍調整の最中だった。
22日時点で一軍出場は12試合。体力面を考慮され、途中交代や休養のための欠場も多かったが、それでも8662票を集めるのは人気と実力を兼ね備えているからこそだ。「うれしい限りですよ。(用紙に)ノミネートされていないのにねえ。ウソやろ~」と本人は半信半疑の様子だったが、それだけ古巣ソフトバンクだけではなく、日本のファンが「ムネリン」を待ち焦がれていた証拠でもある。
5月18日の
オリックス戦(ほっと神戸)で復帰後初のフル出場に初タイムリーと、日を追うごとに日本の野球に慣れてきた。肉離れ防止のために練習でも水筒を持ち歩き、水分補給は欠かさない。ベンチ裏では両足首に重りを巻き、疲労の出やすい下半身を強化する。6月3日で36歳になったチーム最年長野手は、ベンチでのムードメーカーなだけでなく、見えない部分でひたむきに努力をする。
今季は川崎が最後に出場した11年と同じ、ナゴヤドーム、ZOZOマリンと奇妙な縁も。お祭り男の得票数から目が離せない。