
開幕から苦しいマウンドが続く有原。シーズン終盤での巻き返しが待たれる
意地を見せなければならない。
有原航平の3年目は苦難の連続だ。初の開幕投手を任されたが、黒星を喫するとズルズルと開幕4連敗。6度目の先発となった5月6日の
オリックス戦(京セラドーム)でようやく今シーズンの初勝利を挙げ、そこから3連勝と盛り返したが、投球内容は悪かった。5敗目を喫した5月27日の
ソフトバンク戦(札幌ドーム)の試合後に二軍降格が決まった。
150キロを超える直球、フォークやチェンジアップの落ちるボールも鋭い。カットボールのキレも一級品だが、勝負どころで弱さを見せた。走者を背負うと制球が乱れる。全体的に高めに浮き、ストライクを取りに行こうとする甘い球をことごとく打たれ続けた。必然の再調整指令だった。
約1カ月後に一軍復帰。6月18日の
ヤクルト戦(神宮)では雨天の中で力投を見せた。9回途中まで3失点(自責0)で4勝目。先発ローテに返り咲いたが、7月以降は自身5連敗と黒星街道を突き進んだ。「不甲斐ない投球が続いた。切り替えてやっていくしかない」と、もがきながら浮上のきっかけを探る日々が続いた。
8月16日の
ロッテ戦(札幌ドーム)で7回1失点と好投。自身の連敗を止め、ようやく6勝目を挙げた。低めに制球したいという気持ちをきっちり体現して本来の姿を見せた。「チームに迷惑をかけてしまった。これからしっかり勝てるようにしたい」。昨シーズンは11勝をマークした右腕。シーズン終盤での奮起が待たれる。
写真=高原由佳