
苦戦の投球が続く福井。リーグ優勝に貢献することはできるか
結果を残すしかない。
福井優也はギリギリのところで、強い決意を口にした。
昨季沢村賞のジョンソンがたび重なる故障で離脱。開幕からチームを支えた
九里亜蓮も出場選手登録を抹消された。一軍の先発投手陣が手薄な中でも、2015年に9勝を挙げた福井の名前はなかなか呼ばれなかった。これが現状の福井の立ち位置だろう。
今季初登板となった4月26日の
巨人戦(マツダ
広島)に6回3失点で勝つも、その後は2連敗で二軍落ち。そこから長い時間を二軍で過ごした。
ようやく声が掛かったのは後半戦。8月11日の同カードだった。4回まではキレ、伸びともに抜群のボールを投げた。直球で巨人打線を押し込んだ。だが、5回に2四球を与えると一気に崩れた。結局6失点で5回を投げ切ることもできず、ベンチにグラブをたたきつけた。目の前のチャンスを手放した自分に腹が立った。
8月17日の
阪神戦(京セラドーム)でも5回4失点と試合を作れず、翌日に登録抹消。8月23日現在でシーズン1勝にとどまっている。
経験のある福井に、首脳陣の期待は大きい。先発陣は
野村祐輔、
薮田和樹、
岡田明丈、
大瀬良大地と4枚が安定しているが、5、6枚目が不安定だ。短期決戦の経験もとぼしく、不安要素はある。残りのシーズン、そしてクライマックスシリーズへと続く道で、福井が加われば安定感は増す。
背水の福井は「何を言っても、結局、結果を残さないと意味がない。今年は何もしてない。それが自分の立場」と言う。ラストスパートを導く存在となれるか。福井は結果だけを求めて腕を振る。
写真=BBM