
プロ初安打や初打点をマークするなどして、進境著しい奥村
奥村展征がプロ4年目の今季、芽を出し始めた。7月に正遊撃手の大引が左肩の違和感で離脱すると、奥村が一軍に昇格。同11日の
巨人戦(東京ドーム)で好投手の
菅野智之からプロ初安打を記録した。
さらに同29日の
広島戦(マツダ広島)の5回、決勝の中前タイムリーを放つ。149キロの快速球をはじき返し、初打点がついた。それまで得点圏でノーヒット。だから奥村は「今までチャンスで打てていなかった。何が何でも打ちたかったので、打てて良かったです」と喜んだ。
この試合前、
真中満監督からアドバイスを受けていた。打撃練習中に指揮官に呼び止められ、初めて直接指導された。「速い球に対して強い打球を打ち返そうと思うと、力が入るし前に突っ込む。そういうときはポイントを前にして打ちなさい」。この助言について「自分でも感じていました。カウント有利で直球を狙ってもなかなか仕留め切れない」と話した奥村。監督の教えを、その日に早くも実践してみせた。
奥村は日大山形高から2014年、ドラフト4位で巨人入り。しかし、わずか1年の在籍で移籍を経験する。15年1月、フリーエージェント権を行使して巨人に移籍した
相川亮二の人的補償で
ヤクルトへ。「移籍を考えていなかったので驚きました。でも、どのチームでもプロの世界で戦える」。
今季は活躍が目立つが、まだ定位置奪取には至っていない。来季こそ、勝負の1年になる。
写真=大泉謙也