
快足を生かして得点を量産した野間
ものすごい勢いでホームまでかえってきた。8月3日のマツダ
広島での
阪神戦。2点を追う9回一死一、三塁。
西川龍馬の中前への安打で、
野間峻祥は一気に生還した。
打球がセンター前に落ちた時点ではすでに二塁を回っていた。打球判断で一瞬、スピードを緩めたが、すぐにトップスピードに戻した。クロスプレーだったが、判定はセーフ。一気に同点のホームを踏み、チームを勢いづけた。
「一瞬歩いたんで」と笑った野間の走力は、12球団でも1、2を争うとも言われる。三塁ベースコーチの
河田雄祐外野守備・走塁コーチは「ほかの選手とはワンランク違うものがある」と評価する。
ここ一番の起用に、雰囲気を変えられる選手になった。胃がんからの復帰を目指す
赤松真人に勝るとも劣らない存在になってきた。
「ただかえってきているだけなんで」と苦笑いを浮かべるが、代走で出ればスタンドからは「走れ、走れ、タカヨシ」
コールが起きる。相手投手のけん制も多く、配球も直球が多くなる。抜群の走力で、チームの37年ぶりの連覇に貢献したことは疑いようがない。
居場所をつかみ、切り札として能力を発揮した野間。しかし目指す場所はもちろんもっと上だ。
鈴木誠也をして「誰よりもバットを振っている」。レギュラーを目指しながら、貢献を続ける。
写真=BBM