
ポストシーズンで真価を発揮したい岡田
1歩ずつ、階段を上がる。
岡田明丈はあの試合を忘れることはないだろう。
5月6日の甲子園での
阪神戦。先発の岡田を自軍が大量点で援護してくれた。最大9点もの大差をつけ、後は完封か、完投か……。1人旅をする予定の岡田はだが、自分をコントロールするすべを失った。
5回まで1失点で抑えていたが6回に急変。4四死球を与えるなどピンチを作って降板。後を受けた
中田廉、
薮田和樹らが打たれ、最大9点のリードを引っくり返される大逆転負け。岡田は「修正できなかった。チームに申し訳ない」とぽつりと語り、球場を後にした。
何かがおかしかった。「試合中に何度も、何で? と感じて。フォームが悪いんだとフォームを変えて、テンポが悪いからだとテンポを変えた。でも何をやってもダメで。いろいろやって迷走していた」。岡田の一番の武器は150キロを超える直球。1年目の2016年から制球力があるタイプではなかった。それでも唸りを上げる直球で打者をなぎ倒していたはず。原点に立ち返り、腕を振ることを思い出した。いいバランスで強い直球を投げることに重点を置いた。
改善はされたものの、それでも突発的な乱調が時おり顔を出す。9月10日には出場選手登録を抹消され、投球を見つめ直したが、久々の一軍登板となった10月1日の
DeNA戦(横浜)では先発し3回7失点。本来の投球を見せることはできなかった。
今季にマークした12勝はチームでは薮田に次ぐ数字。クライマックスシリーズ、日本シリーズへ向けて、アピールが求められる。
写真=BBM