
阪神とのCSファーストステージ第3戦で7回1失点と好投。チームを2年連続のファイナルステージ進出へと導いた
成績はもちろん、
ウィーランドの果たした功績は大きい。1カ月の故障離脱を経験しながら、21試合で球団の外国人では初の2ケタとなる10勝2敗、防御率2.98。
2年連続でCS進出を決めた10月1日の
広島戦(横浜)は気迫に満ちあふれていた。5回7失点も本業のミスはバットで取り返した。「投球と同じくらいプライドを持って打席に入っている」。3号3ランを含む3安打4打点の大暴れ。13対7と打ち合いを制する原動力にもなり、
ラミレス監督は「冗談抜きで、代打で使うことも考えている」と思わず目を丸くした。
飛び道具の威力はすさまじいが、肝心なのはやはり投球スタイル。直球と組み合わせるナックルカーブが、相手打者を苦しませ続けた。
「基本的には真下に落ちます。あとは斜めに落ちたり、いい感じで抜けたり……。シーズンの後半になって直球のスピードが上がったから、余計に効果的だったと思います」。17試合でマスクをかぶった戸柱の証言だ。
一時はチェンジアップも交ぜていたが、球威自体が増したことでシンプルな配球になった。ほぼ直球とナックルカーブだけで十分勝負ができ、大事な9月は4試合で3勝負けなし、防御率1.00と出色の出来だった。
移籍1年目。チーム愛も人一倍で、レギュラーシーズンが終わった直後には捕手陣、ブルペン捕手や裏方さんを次々と食事へ招待したナイスガイだ。CSファイナルステージは第5戦の先発が濃厚だ。大一番でさらに、宝刀のキレ味は増す。
写真=前島 進