
来季にさらなる飛躍を期す有吉
ドラフト5位指名ながら、大車輪の働きを見せた。53試合の登板で防御率2.87。救援陣の一角として欠かせない存在となった
有吉優樹は、チームで数少ない大幅昇級が見込まれる選手だろう。
九州三菱自動車から契約金4000万円、年俸1000万円で入団した(金額はすべて推定)。春季キャンプから同期の
佐々木千隼、
酒居知史が注目を集める中で自らのやるべきことを黙々とこなし続けてきた。
まずは最初の目標に掲げた「開幕一軍」をつかみ取った。信頼度は日に日に増していく。ビハインドの場面で起用されていた右腕は、次第に厳しい場面を任されるようになった。
9月21日の
西武戦(メットライフ)では、プロ初セーブもマーク。ベンチから出てくるナインに迎えられるのはいつもとは逆の光景で、「新鮮でした。実感が湧いて充実感がありました」と笑顔を見せた。「開幕一軍」を達成した後、すぐに次の目標としたのが「閉幕一軍」。有言実行で、最後まで一軍の重要な戦力としてルーキーイヤーを終えた。
同じく社会人を経てプロ入りした先輩の
石川歩は、1年目に10勝を挙げて新人王に輝き、年俸1500万円から3700万円へと跳ね上がった。
関谷亮太は5勝6敗、防御率5.52で年俸1500万円から2250万円だった。
2人はいずれも先発投手のため単純に比較はできないが、有吉にも大きな期待がかかる。チームは最下位に終わり「厳冬」が予想されるが、初めての契約更改を迎える有吉に注目だ。
写真=BBM