
内野守備で見せるダイナミックなプレーが光る
今季、
ヤクルトでブレークした男がいる。来季プロ5年目を迎える
藤井亮太だ。捕手登録ながら、主に三塁手として自己最多の97試合に出場し、打率.257、2本塁打、12打点。今季のヤクルトは故障者が相次ぎ、若手のチャンスも多かったが、その中でも出続けたのが藤井だ。本来、三塁のポジションには2015年に首位打者に輝いた川端がいるが、2月の春季キャンプで椎間板ヘルニアを発症。8月末に手術を受け、そのまま一軍出場はなく、藤井がその穴を埋めようと必死にグラウンドを走り回った。
「今年は充実していました。いろいろな経験ができた。いいことも悪いことも……。勉強になる1年でしたね。野球の知識も増えてきたと思います」
守備では、来季から二軍チーフコーチを務める三木コーチに指導を受け、試合後もベンチで“反省会”を行った。「守備とか状況判断とか。バッターを見て、守備位置を変えたり。ちょっと変えるだけでアウトになったりしました」。
5月11日の
広島戦(神宮)では、送りバントが一塁寄りの小飛球になると、猛然と突っ込んで好捕し、一塁へ送球して併殺を完成させる“忍者プレー”を披露。「バッティングはダメだし、全体的にレベルアップしないと。打撃では選球眼、守備では落ち着いてやること。来年はレギュラーを狙いにいきます。今年の経験を生かしてアピールしていきたい」と藤井。勉強熱心な男が、定位置奪取に燃えている。
写真=井田新輔