
チームが求める和製大砲として井上にかかる期待は大きい
「井口
ロッテ」の初陣となった、11月10~12日のチャイニーズ・タイペイ代表戦(桃園国際球場)。全3試合で四番に座り、10打数6安打と存在感を示したのが
井上晴哉だ。初戦の第1打席。初回一死一、二塁から左翼席へアーチをかけ、「今までにない感触。詰まっていたが、打球が飛んでいった」と口にした。
井口資仁新監督は言う。「アジャには期待をしている。“来年はポジションを獲れよ”とずっと言ってきている。ここまでしっかりやって結果を出してくれているね」。
和製大砲として毎年大きな期待をかけられながら、プロ4年目の今シーズンも35試合の出場で打率.230にとどまった。8月には約3カ月ぶりに一軍昇格したその日の試合で左ヒザを負傷するなど、故障にも泣かされた。
一皮むけようと、秋季練習からバットを振り続けてきた。
金森栄治新打撃コーチのもとでチームとして取り組んでいる、打球を引きつけて下半身主導で体の軸回転を使って振る打法も身につきつつある。「練習の成果が出ている。ボディーターンで打てている」と充実の表情を浮かべる。
毎年、春先は好調ながらシーズンを通して調子を維持することができていない。今季も「七番・一塁」で開幕スタメンの座をつかみながら、不振により5月5日には二軍落ちを味わった。
「シーズンを通してどれだけ長い間やれるかが僕の課題です」と井上。秋につかんだ手応えを、来季は一年間手放すつもりはない。
写真=BBM