
今季途中に支配下登録された巨人の田中貴也。2018年の一軍デビューをうかがう
若手が激しく火花を散らした宮崎秋季キャンプで、ひと際存在感を放ったのは田中貴也だ。今季途中に支配下登録を勝ち取った25歳の捕手は、このキャンプの練習試合3戦は通算7打数5安打2打点2本塁打と大当たりでチームの“三冠王”となった。
正捕手の
小林誠司、好打の2年目・
宇佐見真吾とともに秋季キャンプのメンバーに選出。11月6日の韓国のハンファ戦では先発マスクの宇佐見と交代で途中出場し、「チャンスは何回もない。すべての打席が勝負」と8回に右翼へソロ本塁打。宇佐見が左手首の負傷で離脱し、11日のハンファ戦では「九番・捕手」で先発。2戦連続本塁打を含む3打数3安打1打点と躍動した。最後の実戦となった13日の
日本ハム戦でもみたび安打を放ち、
高橋由伸監督も「絶好調だね。チャンスは全員に平等ではない中で頑張っていると思う」と高評価を口にした。
打撃練習では首脳陣から「本塁打を狙え。ヘッドスピードを上げて打球を遠くに飛ばすことを考えろ」と指導され、強振を徹底。今季は二、三軍戦も含めて0本塁打だった打撃が開眼しつつある。
巨人の捕手は41歳の
相川亮二が現役を引退し、36歳の
実松一成が戦力外。ドラフトで育成2人を含む4人の捕手を指名し、現在のところ、2018年は全員20代の9捕手(育成含む)がひしめくが、「以前よりは自信がついてきた。(小林)誠司さんにも、新人にも負けたくない」と田中貴。育成上がりのハングリー精神で成り上がる。
写真=BBM