
FA宣言せずにチーム残留が決まった中田。来シーズンは悩める主砲の完全復活となるか
悩める主砲・
中田翔にとって達成しなければいけない節目の記録が2つある。1つはあと23本に迫った通算200本塁打だ。今シーズンは極度の不振や故障も重なって16本塁打に終わったが、昨年までは5年連続でクリアしてきた本数。足踏みすることなく、来シーズン中に打つことができるはずだ。
もう1つは残り32本となった通算1000安打。今シーズン中にクリアすることも可能な記録だったが、レギュラーに定着した2011年以降ではワーストとなる102安打にとどまった。持ち越した宿題となったが、2つとも順調にいけば持っている力からすれば難しい記録ではない。不振から巻き返しを期す中で通過点として視野に入っているだろう。
発奮材料もある。来シーズンからはチームの新キャプテンに就任することも決定した。「いまはすごくやる気になっています」とモチベーションも上がっている。本来の実力からはほど遠い成績で終わり、注目されたオフのFA権も行使せずに残留。新主将として個人的な目標は二の次となるかもしれないが、自身の節目をきっちり迎えていくことがチーム全体を引っ張る“姿”となる。
立場が人を作ることは歴史が証明している。大きな責任を背負うことが、中田にとって成長促進剤となることを期待して栗山監督も大役を任せた。「何かを変えたいと思っていた」と話す主砲がもうひと皮むければ、自ずとチームの結果もついてくるはずだ。
写真=BBM