
今季のテーマは「パワー」だという高木
指揮官も2ケタ勝利を望んでいる。「シュート、スライダーがいい。十分いける」(
辻発彦監督)。
巨人へFA移籍した
野上亮磨の人的補償で
西武の一員となった
高木勇人。背番号は野上が背負っていた「20」が与えられたが、昨季11勝をマークした野上の穴を埋める存在として、大いに期待をかけられている。
2015年、三菱重工名古屋からドラフト3位で巨人に入団。スライダーのように変化幅が大きいが、カットボールのように打者の手元で鋭く曲がる魔球「高木ボール」を武器に、1年目に開幕先発ローテ入り。開幕5連勝を飾るなど、9勝をマークした。魔球が攻略され、2年目の16年は5勝に終わると、同年オフに派遣されたプエルトリコのウインター・リーグでチェンジアップ、シュートの習得に努めた。今季はケガもあり、16試合の登板で1勝2敗、防御率2.63に終わったが潜在能力は十分にある。
「言われたところでしっかりと結果を残し、優勝に貢献できるようにしたい」と本人も意気込む。チームは先発陣が手薄だが、高木の存在によって競争が激化し、全体的なレベルアップにつながる可能性もある。
今季のテーマは「パワー」。「内から出て来る情熱など、パワーあふれる人になりたい」と言うが、マウンド上で動じることなく、淡々と捕手のミットにボールを投げ込む姿も評価されている。“静”と“動”も併せ持つ高木が、チームの未来を明るく照らす。
写真=大泉謙也