
長距離砲が並ぶ打線にあって、巧打者・西野に求められる役割は大きい
この男の復調が、チームの上昇に直結する。
昨季の“猫の目打線”で二番を務めた選手は、実に11人に及んだ。同じく固定できなかった一番とともに、クリーンアップにつなぐ大事なポジション。昨季は得点力を重視して、T―岡田や
吉田正尚が座ったこともあったが「スキのない野球」を掲げる
福良淳一監督にとっては、二番に足の使える選手を置きたいところ。そこでキーパーソンになってくるのが今季4年目を迎える
西野真弘だ。
昨季は悔しい1年になった。毎年調子の良い春先をベストな状態で迎えることができず、シーズンを通してそのまま不調が続いた。開幕戦を「二番・二塁」で迎えるなど、二番にはチームトップとなる52試合で先発した。
しかし、その位置を最後まで守りきることができなかった。夏には降格も経験。出場100試合で打率.234、2本塁打、21打点に終わり「自分で自分を苦しめてしまった。結果が出ず、ずるずるいってしまった」と振り返る。
可能性を広げるため、昨秋からはチームでも手薄な三塁に挑戦。これまでほとんど守ったことのないポジションだが「プラスに考えているし、幅も広がる。今年は何が何でもレギュラーを取るという気持ちが強い」と、勝負の4年目に向け意気込みは十分だ。
二番定着に欠かせない出塁率や盗塁数についても「上げていきたい」と昨季からの大幅アップを目指す。打って守れて走れる二番、このピースが埋まったとき福良
オリックスは間違いなく強くなる。
写真=湯浅芳昭