
チーム最年長の小谷野。プロ16年目の今季は“自分越え”を期している
逆襲には、このベテランの力が欠かせない。今季38歳を迎える
小谷野栄一だ。
昨季は自身4年ぶりの100試合出場、規定打席到達と復活。中でも得点圏では打率.292、満塁機に至っては.625、12打点と抜群の勝負強さを発揮。それでも「力が入るんですかね。クリーンアップを打たせてもらっているので。今年は『自分越え』。昨年以上をやらないと維持もできない」と慢心せず、主力の役割をまっとうする覚悟だ。
昨季「頼れる男」として存在感を見せつけたのは、8月19日の
ロッテ戦(京セラドーム)。6回二死満塁で左前に勝ち越しの2点打を放つなど猛打賞の活躍で、チームの連敗を5で止めた。
悪い流れを断ち切ったチーム最年長の自覚は強い。理想に掲げるのはリーグ優勝した2007年の
日本ハム。「前の年に新庄(剛志)さんが引退。チーム打率は.259でしたけど、そういう状態から日本一。日替わりで(ヒーローが)現れないとチームは上がっていかない」。昨季のハイライトは、まさにそうだった。
福良監淳一督も、小谷野に対し「大きなケガもなく1年間よくやってくれた」と労うなど、厚い信頼を寄せている。
プロ16年目へ。このオフは、関東を拠点に自主トレ。左足首手術の影響もありスローペースだった昨オフとは異なり、ハイペースで調整し、キャンプを迎えた。
「ユニホームを着させてもらっているので、とことんまで楽しんでいきたい」
晴れやかな表情で、目前に迫る新たなシーズンを心待ちにしている。
写真=佐藤真一