
1人3役の激務となるが、やる気に満ちている
リーダーの覚悟はできている。今季から
ヤクルトの選手会長に
中村悠平が就任した。昨季までの2年間は川端が務めていたが、毎年1月に愛媛・松山市で合同自主トレを行う“松山組”の後輩にバトンが渡った。「自覚を持ってやらないといけないし、成績とかでも引っ張らないといけない。自分がしっかりしなきゃいけないと、人一倍思ってすべてに取り組まないといけない」と中村は意気込んでいる。
昨季は正捕手として、127試合に出場するも、打率.243、4本塁打、34打点。チームも球団ワーストの96敗を喫し、3年ぶりの最下位に沈むなど、悔しさを味わった1年となった。それだけに「打撃でもチームを引っ張らないと」と、オフは自宅でもフォームの確認などのため素振りを繰り返し、「キャリアハイを目指す」と今季はプレーでも引っ張る。
選手会長だけではない。今季からヤクルトには2013年以来、5年ぶりに「主将」が復活する。その大役に中村が指名されたのだ。「『お前しかいない』と。ありがたいです」。“ダブル”の重責を担うが、「喜怒哀楽を出していきたい。僕は(周りから)優しいといわれるけど、チームが勝つためには感情を出さないといけない場面もあると思う」。厳しさを出し、チームを束ねる覚悟はある。
「ヤクルトの中で築かれてきたものを、より良いものにしていけるように」と中村。正捕手、選手会長、主将と“三足のわらじ”を履き、チームを浮上させる。
写真=内田孝治