
昨秋キャンプ同様、今春もひたすらにバットを振り込む巨人の小林誠司
振って、振って、振りまくる。今季、小林誠司が攻守の柱となるための課題は明白だ。
「打てなくてチームに迷惑をかけている。打つ方でも貢献できるように、パワーアップしたい」。決意を胸に、春季キャンプでも朝から晩まで打撃練習に勤しんでいる。
昨季は規定打席到達者の中でリーグ最下位の打率.206(2本塁打、27打点)。初のゴールデン・グラブ賞に輝くなど守備面で成長を遂げたが、攻撃ではブレーキとなってしまった。チームは11年ぶりのBクラス(4位)に沈み、オフにはベテラン捕手の
相川亮二が引退、
實松一成が
日本ハム移籍と、退団が続いた。ドラフト会議では育成2人を含む4捕手を獲得。今年29歳となる小林は、チームの最年長捕手となった。
チームの先頭に立つ覚悟を胸に、オフは猛練習を積んだ。昨年11月の宮崎秋季キャンプでは初日から1784スイング。「こんなに振ったことは今までに経験がない」と手のひらの皮がめくれるほどバットを振った。
2月の春季キャンプでは、OBでヤンキースでも活躍した
松井秀喜氏が臨時コーチとして来訪。初日の6日に「彼(小林)が成績を伸ばせば得点につながる」と約50分間、つきっきりで指導され、両足の体重比を9対1と軸足に体重を残す打法を伝授された。
「打てないと試合に出られない」と小林。打力が売りの3年目の
宇佐見真吾、昨季育成から支配下昇格した
田中貴也、ドラフト2位の
岸田行倫、同3位の
大城卓三らとの正捕手争いは、やはり「打」の結果を無視することはできない。スタメンマスクを守り抜くには、打たなければならない。
写真=BBM