
自慢の制球力を武器に1年目からの活躍を誓う鈴木
投手陣に無印の新星が現れた。ドラフト6位入団の
鈴木遼太郎が春季キャンプで上々の実戦デビューを果たした。2月17日に二軍キャンプ地の沖縄・国頭で行われた紅白戦で紅組の2番手として3回裏から登板。杉谷、松本、近藤という主力組を相手に三者凡退で切り抜けた。
制球の良さが売り。きっちりとストライクゾーンで勝負し、打たせて取った。「3人で締められたことが率直にうれしい。自分の持ち味はテンポ良く打たせて取ること。今日3人で打たせて取れたことは続けていきたい」。びっくりするほどの球速はなくても、丹念にコースを突いて凡打を誘うスタイルをプロ初実戦でも全う。手応えを感じる内容だった。
栗山英樹監督も戦力として計算するメドを立てた。「あれだけコントロールがいいのは可能性がすごくある」と高評価。さらに「ウチはどっちかというと球の強いピッチャーが多くて、本当に細かいコントロールができるピッチャーが、これから必要だと思う」と続けた。現状の投手陣にはいないタイプ。シーズンを戦う上で全体的なバランスを考えても、貴重な存在になりそう。
宮城・石巻出身で2011年の東日本大震災では被災した。13年に日本一に輝いた
楽天には勇気をもらったという。「自分も地元の星になれたら」と誓い、まずは順調にプロ生活を船出した。ここからアピールを続けて、一軍の戦力として生き残れるか。本当の勝負はここからだ。
写真=高原由佳