
自慢の俊足でチームの力になる
2014年以来、4シーズンぶりに支配下選手に復帰した
島井寛仁が、自慢の俊足を最大限に生かして大きな「新戦力」になろうとしている。2月21日の韓国・ハンファ戦(金武)までの対外試合4試合で4盗塁。今季、機動力の必要性を強く訴えている梨田監督は「戦力として考えていいのかなと。いい競争ができていると思います」と高く評価した。
楽天の対外試合では、「島井ルール」が適用されている。代走として出場した後、あらためて代打や守備からの出場が可能となる臨時代走だ。21日のハンファ戦では、5回に代走として起用されると二盗、三盗に成功。さらに右翼守備に入ると、一塁内野安打から二盗も決め「自分の理想の形になったと思います」とうなずいた。
苦しい3年間を乗り越えてきた。プロ2年目の14年オフ、戦力外通告を受け育成として再契約。「育成の3年間がなかったら今の自分はない。一軍に上がれないから、目標を失いがちだったときもあったけど、育成選手がファームで盗塁王を取ったらと思った」。昨季は61試合の出場で打率.295と課題だった打力も向上。28 盗塁で盗塁王のタイトルを獲得し、支配下契約を勝ち取った。
オフには
西武に移籍した
松井稼頭央と自主トレを行い、両ヒザをぶつけるような形に盗塁のスタートを改善。より加速力を得た。「チームも走塁に力を入れている。自分の走塁で周りも引っ張っていけたら」と話すスペシャリストが、チームに新たな選択肢をもたらす。
写真=上野弘明