
筋力がアップした本多。3月6日の西武とのオープン戦(ヤフオクドーム)では逆方向弾でアピール
2年連続の盗塁王に輝いたスピードスターも、年々、立場は厳しくなっている。今年でプロ13年目。「春は結果を残さないといけない」と日々の成果に向き合う。正二塁手の座を奪還すべく、
本多雄一が戦い続けている。
昨季は62試合出場にとどまり、打率.213と自身ワーストの数字が残った。「チームが優勝し、日本一にもなれたのは良かったけど、個人成績には悔しかった。取り返したい」。6月に発症した首痛が出場機会減の一因ながら、根本はやはりバット。打率2割に満たない低空飛行で夏を前に再調整となったのが端緒だった。
オフは徹底的に打ち込んだ。崩されるもろさ、甘めを捉えきれない不確実を正すべく、体幹強化を並行した。「打てないと試合に出られない。守備・走塁も大事だけど、バッティングで結果を残さないと二塁は守れない。いい選手ばかり。頭一つ抜け出す」。
ライバルには
川島慶三、
高田知季らがいて、さらに
楽天からトレードで加わった
西田哲朗が
工藤公康監督から春季キャンプのMVPに選ばれるほどアピールした。「人は見ていない。自分がどうあるべきか。焦らず自分がやってきたことを信じてやりたい」。その言葉は本音ながら、強くそう意識しようという思考の裏返しでもある。
周りが見えないキャリアではない。事実、求められれば西田にアドバイスも惜しんでいない。その上で「自分が活躍したい」と言う。あえてワガママに振る舞う2018年にするつもりだ。
写真=湯浅芳昭