
最速150キロ超の直球と多彩な変化球を操る2年目右腕は、開幕先発ローテに入ることができるか
2年目の飛躍に向け、着々と力をつけているのが
山本由伸だ。
宮崎・都城高から2017年ドラフト4位で
オリックス入団。高卒1年目の昨季は、8月に一軍昇格を果たすと、5試合に先発して1勝1敗、防御率5.32。大器の片りんを見せつけたが、山本自身は満足していない。
「しっかり体を使えないと、シーズン途中で疲れが出て1年間戦えない」と、シーズンフル回転を目指して、2年目のスタートを切っている。
昨季のままで良いとは考えていない。オフにフォームの改良を試み、それまで投げる際にたたんでいた左手を投球時に突き出すように変更した。
「昨年は全然使えていなかったので。バランスという点でもこれまでと違います。しっかり自分のものにしたい」
春季キャンプ中も試行錯誤を重ね、開幕までに形作っていくつもりだ。
意識するのは直球の質。最速152キロの直球も「質をもっと上げたい。昨年は全然プロのレベルについていけなかった」と課題と受け止める。決め球のスライダーも「直球があってこそ」と考え、フォームとともに突き詰めている。
狙うは先発ローテーションの一角だ。
金子千尋、
西勇輝らと実力、実績ともに十分な先発陣がそろうが、成長著しい右腕が割って入るチャンスは十分にある。キャンプ期間の実戦から150キロ超の力強い直球を繰り出し、上々の仕上がりを披露していた背番号43。
「開幕から力になれるようにアピールしていきたい」
20歳になる節目のシーズンで、ブレークを狙う。
写真=佐藤真一