
投手陣のリーダーとしてもその存在は欠かせない宮西
今シーズンも頼りになるブルペンの要だ。
宮西尚生が11年目のシーズンも快調に走り出した。今季初登板は4月1日の本拠地での開幕3戦目。チームは
西武との開幕シリーズを連敗スタート。3試合目も劣勢の展開で出番となった。2点ビハインドの7回表。「自分が1回(救援陣の雰囲気を)締めないといけないと思っていた」。死球で走者は出したが、1回を無失点に抑えた。
伸び盛りの若手が多いブルペン陣は開幕の緊張感から失点を重ねるケースが目立った。百戦錬磨の左腕はきっちりと結果を残す姿で、ブルペン陣のリーダーとしての存在感を見せた。新守護神を任され、開幕から失点を重ねた
石川直也にも積極的にアドバイスを送るなど精神的な支柱としての役割も担う。
昨オフは悩んだ末にチーム残留を決断。海外FA権を行使しなかった。残留会見で「この左腕をファイターズに捧げる」と宣言した。1年前はWBCにも出場し、メジャーへの興味が沸いたが、その思いは封印。プロ1年目から躍動してきた北の大地でプロ野球人生をまっとうすると決めた。
決め手になった言葉は交渉の席で吉村浩GMから「このチームで引退してほしい、と。僕の理想とする言葉をいただけた」。開幕4戦目の4月3日の
楽天戦(楽天生命パーク)は0対0の8回に登板。無失点で切り抜けて味方の決勝点を誘発。チームの今季初白星となり、最初の勝ち投手にもなった。代えの利かないサウスポーとして、さらに若手の先導役としてもフル回転する。
写真=BBM