
赤ヘル打線をけん引する丸
もはや当然というべきか。昨季のリーグMVP、
丸佳浩が最高のスタートを切った。開幕16試合を終えた段階で、打率.400、5本塁打、13打点。振れば安打が飛び出す「打ち出の小づち」状態と化した。
中日との開幕カード(マツダ
広島)は2、3戦目に本塁打。3連勝発進に貢献した。5日の
ヤクルト戦(神宮)でも先制3ラン。「自分の打てる球を整理して打席に入った。強引にならずに打ちにいけた。自分のポイントで、しっかり力を伝えられた」。
館山昌平の執ような内角攻めも苦にせず、左中間スタンドへ運んだ。
そして8日の
DeNA戦(マツダ広島)では4号ソロ。特筆すべきは、その4本塁打すべてが中堅から逆方向という点だ。「オープン戦からシンプルに考えられている。自分のポイントでしっかり力が伝わっている。いいポイントで打てているからだと思う」。そう自己分析する顔には充実感がにじむ。
また驚くべきことに、3カード目までの9試合すべてで四球を選んでいる。ボール球を見極め、甘い球を確実にミート。シンプルだが難しいことを、高い能力で平然とやってのけている。
春季キャンプ序盤は右肩の可動域の問題があった。キャッチボールがままならず、守備にも就けなかった。それでもしっかりと開幕に合わせてきた。
田中広輔、
菊池涼介とともに「位置づけが違う」と
緒方孝市監督から全幅の信頼を寄せられる。不動の三番打者として、チームをリーグ3連覇に導くことが使命だ。
写真=BBM