
打率は低調だが足で、守備で勝利に貢献している金子侑
チーム打率.284(5月15日現在、以下同)。スタメンのうち
秋山翔吾、
源田壮亮、
森友哉、
浅村栄斗の4人が打率3割を超える超猛打線の中で、打率.169と数字が出ていないのが
金子侑司だ。
開幕からまだ1カ月弱で、ここまではほぼ2割を下回る日が続く。それでも
辻発彦監督は積極的に先発起用している。「俺はレギュラーだと思って使っている」と信頼に揺るぎはない。
それもそのはずだ。出塁率.248ながら盗塁数はリーグ3位の12個と2016年盗塁王の名にふさわしく、足でチームをけん引。また守備でも俊足を生かした好守で何度も投手陣を助けてきた。「打撃の調子が悪い中でも、大事なところでは犠打などでそれなりの役割を果たしているし、守備と足ではきっちりと仕事ができている」と指揮官はその貢献度を高く評価する。
本人もそこは非常に重要視している部分だ。
「守りに入ったら守備で、走者として出たら走塁でと、切り替えはしっかりとできている。どれだけ苦しくても、そこができているのは、今後にとっても良い経験になっています」
もがいている現状もいつかはプラスになると考え、前だけを見据えている。「正直、状態がどうこうと言える段階ではないですが」と前置きしつつも、「『気がついたら(打撃上位に)おるやん!』となるように、しれっと、みんなに近づけるよう頑張ります!」と巻き返しを誓う。
スピードスターが本調子になったら――。今季、
西武の本当の強さは、まだまだこれからが本番だ。
写真=BBM