
5月29日の広島戦(三次)で10日ぶりの14号本塁打を放った山川
「たとえチームが負けても、四番だけは絶対に打たないといけないんです」
強い信念と責任感を胸に、開幕から超強力打線をけん引してきた
山川穂高。圧巻だったのが4月25日の
ソフトバンク戦だ。チームは昨年からヤフオクドームで7連敗中。昨季終了と同時に「オフ期間中に、それぞれが対策を考えなければいけない」と首脳陣も選手たちも口にしていたほど、優勝するためには絶対に克服しなければならない鬼門中の鬼門での今季最初の試合で、新四番は実力を見せつけた。
0対0で迎えた3回表、
バンデンハークから逆方向への先制満塁弾。チームに勢いをもたらせると、6回表には
岡本健からダメ押しの3ラン。これで12得点と完全に相手の戦意を喪失させ、チームの苦手意識を払拭するとともに、相手のソフトバンク、さらにはファンや周囲にも、「今年の
西武は、去年までとは違う」と印象づけたのだった。
交流戦に入る直前までは、13本塁打、43打点、37四球がリーグトップ、そして得点圏打率.404はリーグ2位の数字を誇ったが、ただ、それまで5月は21試合で打率.192と急降下したのも確かだ。チームも8勝13敗と急降下。一時は2位に6ゲーム差をつけていたが、
日本ハムに1ゲーム差までに迫られた。良くも悪くも、山川の成績がチームの勝敗に直結しているのは間違いない。
しかし、5月29日、交流戦開幕の広島戦(三次)で1本塁打を含む3安打、2打点でチームの勝利に貢献。復活のノロシを上げた山川。日本球界を代表する四番打者、本塁打キングの称号を手に入れるべく、交流戦でMVP級の働きを見せ、再びチームを上昇気流に乗せる。
写真=前島進