
先発として実質2年目の秋山だが、しっかりと結果を残し、今や阪神先発陣に欠かせない存在となっている
日本人エース台頭を感じさせる投球が続いている。
メッセンジャーと並んで安定感を示すのは
秋山拓巳だ。
開幕から1勝3敗と黒星が先行した時期もあったが、昨シーズンの先発チームトップの成績(12勝6敗)はフロックではなかった。
秋山本人は「もっと信頼を得ることのできるピッチャーにならないといけない」というように、軸になる投手に育ってきた。
5月1日の
DeNA戦(甲子園)で1失点完投。同8日の
巨人戦(東京ドーム)では、自身8年ぶり完封勝利を収める。
投手分業制が当たり前のような流れの中、秋山が「180イニングを目標」に長いイニングを投げきるのは新鮮に映る。
チーム完投数では、優勝した2003年は
井川慶の8試合、05年にいたっては
福原忍、
安藤優也の3試合が最多だった。最近の10シーズンで見ると15年の
藤浪晋太郎の7試合が最多となっており、秋山の完投ペースでいくと、これを上回るのは十分に可能だ。
「ストレートの精度を上げていく」。昨オフからのテーマを消化しながら、スライダー、フォークの精度も上げてきた。
また、この遅咲きの右腕の特長は四球が少ないことだ。制球力アップでピッチングのリズムも生まれて尻上がりに調子を上げる。
秋山は「しっかり疲労をとりながら調整したい」という。チームにとって手ごわい交流戦も、この男のステップアップとともに乗り切りたい。