
復活を遂げた平成の怪物が、チームに与える影響は大きい
復活勝利を挙げた
松坂大輔は、多くの面で貢献したといえる。移籍後3度目の先発となった4月30日の
DeNA戦(ナゴヤドーム)で、2006年9月19日の
ソフトバンク戦(インボイス)以来、国内12年ぶりの白星を飾った。
ピンチでも経験と実績で抑えた。「長打を打たれるよりは、1点をあげてもいい」。5回二死満塁では宮崎に押し出し四球を許したが、続く梶谷を打ち取って最少失点でしのいだ。ピンチでもファンの声援が力になり「最後の力を与えてくれた」と感謝した。チーム、そして球場が一体になって選手を応援する。これぞ野球のあるべき姿を、松坂がもたらした。
チームに及ぼす影響も大きい。テスト入団で合格した際には「自分から喋りかけるのは苦手」と話していた。グラウンド内外で
小笠原慎之介や
柳裕也ら若手投手陣から積極的に話し掛けられ、時には自らの経験を踏まえてアドバイスも送った。横浜高の後輩でもある柳は「投げる姿とか準備する姿を見たりして、学ぶことは多い」とうなずく。
観客動員にも「松坂効果」だ。日本野球機構(NPB)が7日に開幕から5月3日までの観客動員数を発表した。
中日は主催14試合で1試合平均3万427人。昨年同時期の2万5731人から18・3パーセント増。増加率はセ6球団で断トツだった。松坂が移籍後初白星を挙げた4月30日のDeNA戦では3万6606人が詰め掛けるなど、14試合中9試合で3万人超えを記録した。復活した「平成の怪物」は今後も影響を与える存在になるはずだ。
写真=BBM