
今年こそは交流戦で大暴れを見せたい
この男が結果を出せば、交流戦で波に乗れるはずだ。
ヤクルトは昨年まで8年連続で交流戦負け越しで、最後に勝ち越したのは2009年(24試合15勝9敗)。苦手とする交流戦で期待がかかるのが、主砲の
ウラディミール・バレンティンだ。
「2割5、6分しか打っていないからね。調子がいいとは言えないけど」と謙遜するが、6月3日の時点で13本塁打はセ・リーグ2位タイ、38打点は同3位タイ。5月11日の
DeNA戦(横浜)では、
広沢克己を抜いて球団単独2位の通算229本塁打を放つなど、8年目の今季もバットで貢献している。
だが、バレンティン自身も交流戦では苦戦を強いられている。交流戦の通算成績は打率.245、21本塁打、51打点。ここ3年に限っては24試合で、2本塁打、8打点と寂しい数字だ。特に15年にはチームが14年ぶりのリーグ優勝を果たすも、自身は故障で交流戦出場なし。球団ワーストの96敗を喫した昨季は、交流戦開幕から10連敗を喫し、主砲も右足の張りで途中離脱。それでも、「パ・リーグの投手でも意識や対応は変わらないよ。同じベースボールだから」と言葉は力強い。
鹿児島では、パワーももらった。16日の
巨人戦前、“喜界島のバレンティン”と呼ばれ、昨季限りで退団した
原泉さんと再会。かつて指導したこともある後輩と久々に会い「おお! 元気か」と懐かしんだ。チームは交流戦5連勝と好スタート。今年こそは“壁”を乗り越え、9年ぶりの交流戦勝ち越しに導く。
写真=内田孝治