
開幕から安定した成績を残している大田。オールスター出場の可能性も十分にある
プロ10年目で初の夢の舞台が近づいている。
大田泰示が名誉に恥じない成績でシーズンを爆進中だ。現在は右翼のレギュラーとして不動の地位を確保。転機は4月24日の
オリックス戦(札幌ドーム)で今シーズン初の二番起用に2本塁打で期待に応えた。チームにとっても近年にいなかったニュータイプの二番打者として定着した。
堂々とした数字も残している。5月中に2年連続2ケタ本塁打をマーク。6月5日現在で打点も31。キャリアハイの昨季の46の3分の2をすでに稼いでいる。三振を恐れず、常にフルスイングで相手投手に脅威を与える存在感は好調なチーム状況の中でも際立っている。守備でもガッツあふれるプレーで盛り上げる。十分に球宴に出られる資質がそろっている。
常に準備を怠らない姿勢が躍進の原動力。早い時間帯からグラウンドに現れて体のコンディションを整えるのがルーティン。本格的に主力として一軍で出始めたのが、
巨人から移籍1年目の昨季。シーズンを通して戦うスタミナを求めるために、少し減量して臨んだ今シーズン。軽やかな体をフルに生かして、全力プレーを続けて好結果を生み続ける。
期待され続けて10年。誰もが評価したポテンシャルが本格開花した。伸び伸びと北の大地で自分を表現するスタイルは、ファンからも受け入れられている。新天地でチャンスを生かした長距離砲が疲労も募る初夏を乗り切れば、オールスターの晴れ舞台にもグッと近づくはずだ。
写真=BBM