
勝ち星こそ5勝にとどまるも7つのQSを記録するなど先発の役割を十二分に果たしている巨人の山口俊
球団が求めていたのは、この頑丈さだった。一昨年オフに
DeNAからFAで加入した山口俊が真価を発揮している。
「長いイニングを投げたいと思っています。ちょっとでも救援陣の負担を減らせれば」
今季は開幕からエースの
菅野智之が投げない“裏ローテ”の初戦を任される。6月12日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では7回5失点ながらも5勝目(5敗)を挙げ、「ここ2試合、終盤に失点してチームに貢献できていなかったので、なんとしても勝ちたいという気持ちで上がりました」と充実の表情を見せた。何より評価されるべきは、そのスタミナだ。
4月17日の古巣のDeNA戦(新潟)で9回133球を投げ抜き、5安打2失点で2勝目。開幕16試合目でチーム初の完投勝利を挙げ、自己最多の14三振を奪う力投を披露した。
交流戦終了時点で同僚の菅野の5完投に迫るリーグ2位の4完投、1試合の平均球数は121.3球、平均投球回は菅野に次ぐ同2位の7.0回。ブルペン陣を休ませるのに一役買っている。
昨季は故障で出遅れ、7月に泥酔暴行騒動を起こしてその後のシーズンを謹慎。1勝にとどまり、戦力になれなかった。万全の状態で迎えた今季は春季キャンプで視察に訪れた
長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督から個別に激励を受け、「頑張れという言葉に添えるよう、頑張りたい」と気を引き締めていた。シーズン中盤を迎え、今季から加入した
野上亮磨や、
吉川光夫が二軍落ちする中、菅野とともに投手陣を支える。
写真=BBM