
今季はストレート以外にもスライダーなど変化球の精度が上がった。チーム一の馬力を誇る左腕がブルペンを支える
コワモテの風貌とは対照的に、黙々と仕事をこなしてきた。「毎日でも投げたい。とにかくチームに貢献したい」。ビハインド、同点、勝ちパターンすべての状況に対応。エスコバーの貢献度は、はっきりと数字に表れている。
2勝目を挙げた6月9日の
日本ハム戦(横浜)。この時点で、両リーグ最多となる30試合目の登板だった。出番は3対3の同点で迎えた7回。二死二塁で
大田泰示を迎え、ギアを最高速に入れた。フィニッシュは空振り三振。高めのつり球が156キロを計測した。6月11日に出場選手登録を抹消されたが、恐らく登板過多によるリフレッシュが狙いだろう。蓄積疲労と無縁のタフガイ。20年ぶりの優勝を目指す
DeNAにとって、カギを握る1人であることは間違いない。
ブルペンに目を移せば、抑えの
山崎康晃が盤石。主に8回を担ってきた
パットンがやや不安定で、
井納翔一は二軍降格後、再び先発復帰を視野に調整している。チーム最多登板の
砂田毅樹(31試合)や、エスコバーの次に登板数が多い
三上朋也(28試合)とブルペンを支える中で、防御率1.93(成績はすべて21日現在)は特筆すべき数字。
ラミレス監督が頼りにするのも自然な流れだった。
昨年7月に
黒羽根利規との交換トレードで日本ハムから加入。「先発でもリリーフでも、どんな役割でもチームを助けたい」と有言実行の働きを見せてきた。「ナンテコッタ、パンナコッタ」と日本語の持ちギャグでも笑わせ、チームの誰からも愛されるキャラクターの持ち主。絶対に欠かすことはできない。
写真=大泉謙也