
真っすぐの威力は十分。二軍で自らの課題と向き合っている
白星には届かなかったが、存在感は示した。
楽天のドラフト1位ルーキー・
近藤弘樹は、6月6日の
巨人戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発。右太ももとふくらはぎをつるアクシデントで、5回途中6安打2失点で降板した。援護にも恵まれず初黒星を喫したが、最速151キロの直球は威力十分。上々のデビュー戦だった。
魅力のあるボールを見せたが、課題も浮き彫りになった。デビュー戦では、甘く入ったスライダーを
ゲレーロにスタンドまで運ばれた。続く同13日、
中日戦(楽天生命パーク)では変化球が決まらずカウントを悪くし、ストライクを取りにいったところを痛打された。6回途中4失点で2敗目。「どの球も修正できなかった。もっと早く修正しないと、上じゃ勝てない」と悔しさを隠さなかった。
連敗で一軍から外れることは決まったが、梨田監督(当時)は「ボールは強いものがある。変化球でうまくストライクが取れれば、やっていける」と評価した。ファームでは7月5日の時点で11試合に登板し4勝4敗、防御率3.10。一軍で体感した課題と向き合いながら、しっかりと先発ローテーションを守っている。
情けない姿を見せるわけにはいかない。近藤は亡くなった
星野仙一副会長が指名した、最後のドラフト1位。大学時代を副会長の故郷でもある岡山で過ごした縁もある。「獲ってもらった縁があるし、期待してもらった。期待を裏切らないようにしたい」。まずは初勝利を目指し、二軍で牙を研ぐ。
写真=桜井ひとし