
6月29日の広島戦では3点差を追う8回に値千金の同点3ランを放ち、9回のサヨナラ勝ちを呼び込んだ
いい意味で初々しさはなく、レギュラーの風格を感じさせるようになった。
東克樹とドラフト1、2位コンビで
DeNAを支える歯車。
神里和毅もまた、頼もしい即戦力の1人だ。ここまで68試合に出場し、打率.260、5本塁打、20打点。50メートル5.8秒の快足を生かした14盗塁はチームトップ、セ・リーグでも3位タイ(1位は
ヤクルト・
山田哲人の17盗塁)とタイトルさえ狙える位置につけている。
「来年の開幕戦に一軍で出場したい。1年目からチームの戦力になりたい」。昨年11月の入団会見では決意表明。3月30日のヤクルト戦(神宮)は「七番・右翼」で開幕スタメンを果たし、有言実行のプレーで欠かせない存在になっている。
左翼から
筒香嘉智、
桑原将志、
梶谷隆幸。ここ数年、チームの外野手争いはほぼ無風状態だった。分厚い壁に風穴を開けようと、ガムシャラに長所をアピール。すると、オープン戦ではチーム最多の4盗塁を記録した。「素晴らしい素質。盗塁の技術はリーグ随一。30盗塁できる」と誰よりも喜んだのが
ラミレス監督。
開幕直前には梶谷が背部痛で離脱し、穴を埋めるどころか、そのまま定位置を奪ってしまった。リードオフマンを任せられるまでにも時間はかからず、4月12日の
巨人戦(東京ドーム)では初回に先頭打者アーチ。華々しくプロ初本塁打を放った。6月9日の
日本ハム戦(横浜)でも決勝の二塁打を含むプロ初の4安打。端正なマスクにもまた、看板選手の雰囲気が漂っている。
写真=小倉直樹