
現在はケガで離脱中だが、新守護神としてその才能に疑いの余地はない
入団4年目の
石川直也が
日本ハムのスピード王だ。5月25日の
西武戦(メットライフ)では156キロをマークした。今シーズンのチームNo.1のストレートだった。191センチの長身から投げ下ろす、自慢のストレートには角度も威力も速さもある。チーム関係者からは「
ソフトバンクの
サファテのようになれる」とポテンシャルの高さは絶賛されている。直球とフォークのコンビネーションで三振を取れるのも大きな強み。もちろんストレートで打者をねじ伏せられる力強さもある。
今シーズンは開幕から新守護神を任された。一時的にセットアッパーに回ったが、ふたたび守護神へ。首脳陣も厳しい場面を経験することで促成栽培のように成長を促している面がある。
高校時代は3年夏の甲子園で一躍名を上げた。大舞台で当時の自己最速となる148キロを記録。線は細かったが、恵まれた体格にスケール感があった。当時の担当スカウトだった
川名慎一外野守備・走塁コーチは石川直の母校・山形中央高で視察した際にロングティーの飛距離に魅了されたという。「すごく打球を飛ばしていた。体が強くなければ飛ばせないからね。それは投球でも共通する」。
プロ入り後、2年間は二軍で下積みを積んだ。昨季は一軍で37試合に登板。先発、中継ぎともに経験して飛躍の礎を築いた。今シーズンは球速も上がったストレートを武器にクローザーへ。「まだまだです」と謙虚な豪腕が一歩ずつスターへの階段を駆け上がっていた矢先、7月24日の
楽天戦(楽天生命)で右内転筋肉離れで戦線離脱……。若き新守護神の復帰がいまは待たれる。
写真=BBM